小刻みに震え、泣きながら話す雄斗くんは、私には本当に恨んでいるようには見えなかった。 長年の悲しみ、苦しみを誰かに理解してもらいたい、その一心で話しているようにも見えた。 「雄斗くんは、寂しくないよ。今さら雄斗くんなんて、呼ぶもんじゃないよね。あまりまだ受け止めきれてないけど、…今日からは私がついてるから、……お兄ちゃん」 泣いている相手にかけられる言葉は、こんなことしか思い浮かばなかった。