「…こんなこと話すのもなんだけど。

僕は於島家に引き取られてから、ほとんど召使いさんに育てられた。

義理の父と母は、お金や物が愛情だと思ってて、なんでも好きなものは買い与えられたよ。

でも、寂しさはどんどん募っていくばかりで。

そんな時、ずっとそばにいてくれたのが召使いの凛恵さんだった。

好きだったよ、凛恵さんのこと。

いつも一緒に遊んでくれた。

…なのに。なのに義理の父は、於島は彼女をクビにした。

業務を超えた僕との関係を、快くは思ってなかったみたい。

この人はなんて自己中で、理不尽なんだろうって心から恨んだ。