だから、ついこと間見つけるまで、僕はその存在を知らなかった。

その手紙には、最後に住所が書いてあって。
それがここだった。

もちろん、どうしてこんな大事なものを今まで隠してたのか攻め寄ったよ。

…じゃあ、僕を手放したくなかったって言われた。

ろくに僕を大事にしていなかったくせに。

…ただ、後継者がほしいだけなのに」



ついに耐えきれなくなったのか、雄斗くんは涙を流した。


『於島が嫌い』その意味が少しだけわかった気がした。


…でも、現実はそんなに甘くなかった。