小さく囁かれた最後の言葉に、シリアはそっと目を伏せた。

誇り高い、ノースヴァン家のユースリア。

もし自分の娘が側室になれないのであれば、彼女はシリアを家から追放するだろう。

もしくは、幽閉か。

役に立たない姫など、ノースヴァン家には必要ない。

「ならば城の仕事でもやらせておけ。ノースヴァンの娘だろうと何だろうと、この城では無意味だ。
お前もそれで構わないだろう?
……無感情の人形姫」

クツクツと笑いながら発せられ、シリアは微かに目を見開いた。

まさか王が、自分のことを知っているとは夢にも思わなかったのだ。