『大翔。言うことを聞いてちょうだい。
あなたは、生きてるの。だからママの分まで
パパと一緒に生きてちょうだい』
『嫌だ……ママと一緒じゃないと……嫌だ』
泣きじゃくる大翔君。
ほら……やっぱり。
いくら会わせても離れて離れになってしまう。
余計に別れが辛くなるだけだ。
分からないまま……離れ離れに
させた方が良かったのではないのか?
すると心愛が大翔君の手を握ってきた。
心愛!?
「大翔君。ママとのお別れは、寂しいけど
これからいっぱい出会いがあるんだよ?
パパに友達、先生……そしてお祖父ちゃん
お祖母ちゃん。
もっと、もっと……でもママと一緒に
逝っちゃったらもう叶わなくなっちゃう」
「心愛ともせっかく友達になったのに。
心愛は、大翔君ともっと一緒に遊びたいよ!
大翔君は、皆と離れ離れになっても寂しくないの?」
心愛が大翔君に気持ちを告げる。
するとそれに対して戸惑い始めた大翔君。
迷っている……。
『大翔……ママは、大翔のこと大好きよ。
だからママの分まで生きて。
あなたは、まだ生きているのだから……』
泣きながら必死に言い聞かす大翔君のお母さん。