完全に閉じると伊織は、鍵をかけた。

「封印……終了」

そう言うと黙って立ち去ろうとした。

えっ……もう!?

僕は、驚いていると心愛が

「伊織君。もう帰っちゃうの? 
また、明日。学校でね!?」と呼び掛けた。

心愛……。

すると伊織は、立ち止まりチラッと
こちらを見た。

「あぁ……またな」

一言だけ呟くと行ってしまった。

返事をした……アイツが!?

心愛がいくら呼び掛けても無視していたくせに。
僕は、驚いてしまう。