父さんが相手した幽霊達は、皆そうだった。
スッキリとした表情をしていた。

それは、心残りが消えて
自分なりに納得した結果なのだろう。

父さんは、番人になれなかったけど
それよりも大切なモノを持っているのかもしれない。

それは、僕達のないものだ。

「心愛、龍聖。
彼に朱雀の門を開いてあげて」

父さんがそう言ってきた。

あぁ、そうか。
成仏をさせるには、僕達が門を開かないといけない。

危うく忘れるところだった。
すると伊織が

「ねぇ、それ俺にやらせてよ!」

そんなことを言ってきた。

えっ……?