幽霊のおじさんを見ると
涙を流しながら拍手をしていた。

叶えたかった心残りが消えて
身体が薄くなっていた。

成仏に向かっている証拠だ。

披露宴が終わるとおじさんは、
僕達に頭を下げてお礼を言ってきた。

「本当にありがとうございました。
お陰様で素晴らしい娘の結婚式を見ることが出来ました」

何度も何度も頭を下げていた。

「それは、良かったです」

「おじちゃん。もう成仏しても大丈夫そう?」

父さんが言った後に心愛は、おじさんに尋ねた。

「あぁ、娘が心配なのは、変わらないけど
ずっとここに居る訳にもいかないしな。
それに、娘の気持ちが分かったから
それだけで、もう十分だ」

おじさんは、納得したようだった。
その表情は、スッキリとしていた。