「俺は、心愛と龍聖の父だ。よろしく」
そう言うとニコッと笑う父さん。
「……あんたが、父親」
何故だか父さんを睨み付ける伊織。
どうしたんだ?
何であんなに不機嫌なんだ。
すると結婚式が始まった。
華やかに行われる結婚式。
それを幽霊のおじさんは、切ない表情で見ていた。
「……由香……」
名前を呼ぶおじさんの気持ちは、
ずっと昔の記憶を辿っていた。
それは、娘の成長に合わせて
嬉しさと寂しさの現れだった。
伊織は、その姿を見て
「どうして……自分は、死んだのに
自分の気持ちよりも子供の事を考えるんだ?」
不思議そうに呟いていた。