「嫌だ……だって……」
幽霊でもせっかく出来た友達を失うことを
嫌がる心愛。
しかし……それは、ダメなんだ。
「……心愛。時間だ。
僕達は、僕達の役目を果たさないとならない」
例えどんな相手でも……。
僕は、心を鬼にして心愛に言った。
そばまで行くと手を握った。
心愛は、その想いが伝わったのか
コクリと頷いた。
お互いに両手を合わせる。
扉が接続した。
そして左右の手を繋いだまま
片方の手を花子さんに差し出した。
『朱雀門が開かれた。
死者は……我の手に』
声を揃えて言った。
今、死者の門『朱雀門』の扉が開かれた。