花子さんは、初めて心愛を友達と認めた。
「私は、どのみち……すでに
この世には、居ない存在よ。
イジメられて友達が居なくて……ずっと
1人で憎んで生きてきた。
もう心を開かないと誓い……ただ陥れてやろうと」
「でも、心愛と会った。
何を言っても私を友達だと疑わない心愛を
見ていたら救われた。もういいかなって……」
そう言った花子さんの身体は、
半分ぐらい薄くなり始めていた。
彼女の心残りが消えて
成仏になりかけているんだ……。
もう地縛霊ではなかった。
「やだ……美香子さんと一緒に
もっと遊びたい。成仏なんて……嫌だ」
心愛は、泣きながら言った。
心愛……。
「最後にお願いがあるの。
成仏させるなら心愛と龍聖に頼みたいわ。
友達として」
それが彼女の最期の願いだった。
幽霊は、いずれ成仏させないとならない。
新しい生命として産まれるためにも
それが僕達……番人の役目だ。