心愛が止めたせいか
その男子生徒は、動きが止まった。

「何するんだ……?
地縛霊は、放っておくと悪さをするんだぞ?
その前に成仏させて何が悪い」

「悪くなくてもダメなの。
英子さんは、心愛の大切な友達なんだから」

心愛は、どうしても
花子さんを成仏させたくないらしい。

「友達……?地縛霊なのにか?」

「友達なの。洋子さんは」

未だに名前をハッキリと覚えていない
心愛だが……。

『……もういいわよ。心愛』

すると3番目のトイレに潜んでいた
花子さんの声が聞こえてきた。

「よしこさん……」

『だから花子だって……あんたも
いい加減に覚えないよ。
もう……でもありがとう。友達だって言ってくれて』