「え~今から行くの?
せっかく友達になったのに。
焼き芋焼いてからでもいいじゃん。
心愛、焼き芋食べたい!!」
男の子の事情より
焼き芋を優先したがる心愛。
心愛……。
相変わらずマイペースだな。
呆れていると父さんは、クスクスと笑う。
「じゃあ焼き芋を食べてから
この子……大翔君をママのところに送り届けよう」
「やったー焼き芋だ!!」
心愛は、キャッキャッと大はしゃぎだし。
どうやら決定らしい。
仕方がないと思いつつ
チラッと男の子……大翔君を見る。
こんなに小さいのに……。
そして落ち葉を集めて焚き火をすると
母さんが持ってきた焼き芋を焼いた。
「えっ?男の子の幽霊!?」
「幽霊じゃないよ~守君だよ~」
心愛……違う。
守君ではなくて大翔君だから。