「お兄……ちゃん……ひっく……」
心愛は、泣きじゃくる。
「もう大丈夫だから……泣き止んで」
よしよしと背中を叩いてあげた。
するとその騒ぎを聞きつけた先生達や他のクラスの子達は、
クラスの状況に驚いていた。
その後。
クラスの目撃者から心愛がやったことになり
両親が呼び出された。
僕も関わってたこともあり一緒に応接室に。
「このたびは、ウチの娘がご迷惑をおかけてして
申し訳ありませんでした」
両親2人揃って頭を下げて謝罪した。
「パパ……心愛の数珠が……」
泣きながら父さんにしがみつく心愛。
父さんは、頭を上げるとしゃがみ込む。
そして手に持っていた数珠を見て状況を把握した。
「なるほど……数珠を壊されて
癇癪を起こしたのか。大丈夫。
また新しい数珠を用意してあげるから」
ニコッと微笑むと
心愛の頭を優しく撫でてあげた。
「本当?怒らない……?」