その女子達は、
僕には、嫌われたくないらしい。

だから僕の噂は、流さなかった。

もちろん千里眼を持っている僕には、
意味のないことだけど。

しかし心愛は、大丈夫だろうか?

僕と心愛は、クラスが違うため
助けに行きにくい。

心配になり授業中だが、
クラスの様子を覗いてみることにした。

心愛の心は、覗けないけど
周りの目から通して見れば分かる。

授業を始めようとするが
イジメっ子にノートを落書きされていた。

これだと読めないし……酷いな。

しかし心愛は、明るい口調で

「先生。ノートと教科書が、こんなんで
読めません!!
見て見て。まるでアートみたい……キャハハッ」

嬉しそうに担任の三田先生に見せてしまう。

心愛……そこ喜ぶところではないよ。

「西園寺さん……教科書は、
落書きする物ではありません」

「違うよ~もうこうなっていたんだもん。
誰がやったんだろうね?不思議だね」