「だから花子だってば!!
いい加減に名前を覚えなさいよ……まったく」
呆れながらため息を吐く花子さん。
漫才のようになってるよ……2人共。
僕は、呆れながら出口付近でその様子を見ていた。
何故こうなったのかは、
心愛が花子さんを見つけたことから始まった。
旧校舎の噂も業者に怪我を負わせたのも
彼女の仕業だ。
彼女……花子さんは、昔からこの3番目の
女子トイレに存在している地縛霊だ。
霊にも3種類ある。
自由に動き回る事が出来て
よく心霊写真に写り込みやすいのは浮遊霊。
生きているのだが
想いだけ強過ぎて魂だけ移動してしまう生き霊。
そして、1番厄介なのは…地縛霊。
相手の恨みが強過ぎて怨霊化してしまう可能性が高い霊。
人を死に引きずり込もうとするのは、
地縛霊の仕業が多い。
花子さんは、何十年前に
この女子トイレで自殺した。
原因は、陰険なイジメ。
もともと大人しく家が貧乏だからという理由で
イジメられた。
このトイレでもかなり酷い目に遭っており
恨みながら……手首を切って自殺した。