心配した父さんと母さんは、
心愛にあまり周りに幽霊のことを話すなと言い聞かしていた。

そして心愛の首もとに大きめの数珠をかけてあげた。
 
「パパ……これは?」

「これは、父さんの霊力が入ったお守りだ。
必要以外は、つけておきなさい。
これには、心愛の霊力をある程度抑えられるようになっている。
それに幽霊も寄せ付けない」

なるほど……心愛の力をある程度
封じたのか。

幽霊が寄り付かなかったら大丈夫だろうと思ったのだろう。

だが甘いよ……父さん。

心愛は、それだけでは行動を制御出来ない。

そのことは、
すぐに学校で明らかになった。

朝早くから学校に行くと
心愛は、そのまま校舎に入るのではなくて
隣の旧校舎に入って行く。

小学校は、去年から古くなったからと
新校舎を成立した。

すぐに壊すはずだったのだが
業者が壊そうとすると事故に遭ったり
怪我をするので取り止めになっていた。

それにある噂があるため
立ち入り禁止になっている。