「うん……?」

父さんも僕の見る方向を向いた。

父さんも僕達と同じ千里眼の能力を持っている。

「あぁ、本当だね。
可愛らしい男の子だ」

しばらくすると心愛が
小さな男の子を連れてこちらに来た。

年は……6歳ぐらいだろう。

「パパ、お兄ちゃ~ん。
さっきそこで、友達になって連れて来たよ!!」

キャッキャッとはしゃぎながら言う。

ただし……幽霊だけど。

見ると半べそになりながら
心愛の後ろに隠れていた。

『……この人達。だぁれ?』

すると父さんがニコッと微笑みしゃがんだ。

「怖がらなくても大丈夫だよ。
俺は、この子達の父親だ」

そう言うと男の子の頭を優しく撫でてあげた。

この子は、幽霊だが
まだ本体は、生きているな。

幽体離脱というヤツか……。