人は、同じ状況にならないと理解が出来ない。
本当に理解するためには、
人の痛みや苦悩を知る必要がある。

だから生まれ変わりながら学ぶのだ。
何度も繰り返し改めて平等になるように。
それが仏の教えだ。

大翔君のお母さんもまた新たな命となって産まれるだろう。

自宅に帰ると母さんが心配そうに待っててくれた。
すると父さんが俺達に

「そういえば死者の門『朱雀門』だっけ？
あれ、どういう意味なんだ？」

そう言って質問をしてきた。

「あぁ、あれ。あれは……」

僕は、父さんと母さんに話した。
僕達のことを……。

「えぇっ！？朱雀門の番人！！」

「そうだよ～心愛とお兄ちゃんは、番人なんだよ！」

心愛が元気に答える。

さっきまで落ち込んでいたはずなのに。

「しかし、それだと
今、現在誰も居たくなるだろう？」