「……パパ……」
「良かった……本当に」
涙を流しながら喜ぶ父親は、本当に心配していた。
母親は、亡くなってしまったけど
この2人の親子は、これから協力して上手くやっていくのだろう。
「せっかく友達になったのに……」
心愛は、寂しくなったのか父さんに
しがみついていた。
「大丈夫だよ……心愛。
大翔君は、目を覚まして記憶が薄れるかもしれないけど
心愛とは、また何処かで会えるよ!」
父さんは、心愛を抱っこして
よしよしと背中を撫でてあげていた。
「……うん。」
コクりと頷く心愛。
確かに千里眼で大翔君を見る限り
大翔君とは、また会えるだろう。
もう少し先の未来で……。
「お別れは、悲しい。でも生きていたら
たくさんのお別れはある。だが新しい出会いや
また新たに産まれて来る命もある。
大翔君のお母さんも成仏してまた、新たな
命として生まれ変わるだろう」
そう話す父さん。
人には、寿命がある。人生がある。
そして成仏した命は、何度も生まれ変わる。