『ぼ、僕も……ママのこと好きだよ!
好きだから……我慢する。
ママの……泣き顔見たくないから……僕……』

必死に我慢しようとする大翔君。

彼は、自分自身と戦っていた。

母親と離れたくない。
でも、皆とのお別れも嫌だと……。

そして、笑ってほしいから。

『大翔……』

お母さんは、泣きながら大翔君をギュッと抱き締めた。

大翔君のお母さんも本当は、
子供を置いて死にたくなかった。

一緒に生きて成長を見守りたかっただろう。

だが、それも出来ない。
だから、せめて生きてほしいのだろう。
自分の分まで……。

それが親子と言うものか?

大翔君が納得したと受け取ると父さんは、

「では、大翔君は、俺達が責任を持って預り
身体に戻します。
そして、あなたの方は、成仏させます」

言いにくそうに伝えた。

大翔君のお母さんを成仏させる。

『お願いします……』

深々と頭を下げてきた。