私はさり気なく龍也に近づいて声をかけた。



「たーつやっ♪」



「おう!頑張ってるかぁ?
あ、お土産っと…ほら、やるよ!」



「わぁあ!可愛い〜!ありがとうっ!」



渡されたのは関西限定のぬいぐるみだった。



前にぬいぐるみが好きだって言ったら、
お子様ってからかったくせにと思いつつ、
これを買ってる龍也を想像したら少し可笑しくて笑ってしまう。



「なに笑ってんだよ。」



「んー?なんでもないよぉ〜。」



「それよりちゃんと見ろよ、ぬいぐるみの左手。」



「左手…?」



私は言われるまま、
渡されたぬいぐるみの左手を見る。