「そいや、初めましてだな。仕事は何してんの?」
「車用品店で働いてるよ。幸太君は?」
「へぇ、すげぇじゃん!
実は俺も車関係!板金屋で働いてる。」
「そうなんだ!…龍也は卒業して何してたの?」
「…あいつは土木関係の会社に就職したんだよ。」
「そうなんだ…。頑張ってた?」
「ああ。仕事してると気が楽だって言ってたな。」
「そっか…。」
40分くらい車に揺られて、お寺に到着した。
いくつもある中、一つの墓石の前で立ち止まる。
目の前の石に彫られた『宮崎家』という文字。
横の石には龍也の文字があり、
ほんの少しだけ実感が湧く。
本当にもうこの世にいないんだね…。
「龍也、真梨恵ちゃん連れてきてやったぜ。
…ずっと逢いたかっただろ?」
私は手を合わせて龍也に問いかける。