森の中を僕は歩いた「君と出会うために」
誰かが言った「人と人が出会うのは運命だ」
誰かが言った「人と人とが愛し合い結ばれるのは運命だ」
誰かが言った「人が死ぬのは運命だ」
君が言った「運命なんて大嫌いだ」
俺が言った「「運命?」を愛している」
よくカップルが「何千何万という中出会えたのは運命」などと言うがそれは「何千何万と言う中で選んだ」の間違いだと思っている。でも本当に運命かもしれないでもそれが運命だと思いたくなかった、なぜなら僕は運命を愛しているから、でもそれが運命だとしたら僕は何を愛しているのだろう?そんなことを考えている俺の耳に入ってきたのは友達の亮(りょう)の声だ
ずっと昔から聞いている声だから顔を見なくてもわかる「なぁなぁ知ってるか?霧森の噂」と楽しそうに話しかけてきた、霧森とは俺がかよっている学校の少し離れたところにある森の事だ広くてよく霧がかかって不気味だからあまり人は近づかない
俺は少し考えてから聞き返した「霧森の噂?」亮は少し残念そうに「なんだよ知らないのかよ」と言い残し放課後だから家に帰ろうと教室のドアの方に背中を向けて歩いていく「なんだよ気になるだろ、教えてくれよ」と言うとそう言う事を待っていたかのように嬉しそうに振り返り話し始めた「霧森で赤い光を見たら運命の人に出会えるらしい」「あの不気味な森でか?運命の人じゃなくて幽霊の間違いだろ」と運命と言う言葉をかき消すように言い返した「だな(笑)もう遅いし帰るか」そう言われて時計を見るともう午後の6:45分だった
帰り道、亮がいつもと違う道を行こうとした亮とは家が近く帰り道も同じだった「亮どこ行くんだよ」と違う道を歩く亮に言うとまた嬉しそうに振り返り「霧森」と言ったどうやら噂を確かめに行くようだ「一緒に行こーぜ」と亮が誘ってきた俺も行きたかったが帰って課題をしなければいけないので亮一人で行くことになった次の日の朝学校に行くと珍しく亮がいた「よっ!昨日どうやった?」と聞くと残念そうに「何も〜やっぱ噂だったんだな〜」「魂が抜けたかのような声出してそんな運命の人に出会いたかったのか?(笑)」「いやそっちじゃなくて幽霊、(笑)」「そっちかよ笑、でも運命の人に出会いと願わなきゃダメじゃないのか?」「あ(笑)本当だ」「ならもう一度行くか?」と言うと亮は「いや、いい」と興味が無くなったのか即答で返してきた
学校が終わり家に帰ると何故か霧森の噂のことが気になって仕方ない「運命の人か...」と言いながら眠りについてしまった寝てからしばらくすると目が覚めた時計を見るとまだ夜中だカーテンを開けると霧森が見えた真っ暗な霧森が一瞬かすかに光ったその光を見た瞬間何故か涙がこぼれた。その次の瞬間おれは走っていた霧森の噂を思い出したからだ、霧森はずっと走っていけるような距離じゃなかった。だがペースを変えることなく走っていた。人並外れた体力があるわけでもない今にでも倒れそうだ、何が自分をこうさせているのだろう?あの光は?どうして涙がでた?、いやそんなことはどうでもいいとにかく今は走らないと。
 自分でも信じられない早さで霧森についた少し奥の方に光が見えた「赤い…光」俺は森のなかを歩いていた…君に出会うために