「先生、彼女さんっているんですか?」
「ゴホッゴホッ…なんだ急に。」
先生は飲んでいたコーヒーをむせて、あつそうにしている。
「いつも思ってたんです。先生、もうそろそろいい歳なのに、結婚してないし大丈夫かなって。」
「なんちゅー心配してるんだ、お前は。…んー、いるよ。あと1年後くらいには結婚するかなーなんてな。」
「ふーん…そうなんですか。」
…知ってたよ先生。
ごめんね、1回だけ、先生が携帯見てるとき、覗いちゃったの。
先生の携帯のトプ画、女の人とのツーショットだったから、知ってたよ。
「先生、私、もう行きますね。あ、なにか手伝うことあったら、私に言ってくださいね。」
「おう。でも、もう明日卒業じゃないか、お前らは。」
「…知ってますよ。失礼しました。」
ガラッ。