今、私の目線の先にいる君は、大勢の女の子に囲まれていて。

幼稚園の頃から見てきた、爽やかで無邪気な笑顔。

その笑顔を、あの頃のように独り占めすることはもうない。

俯いていたとき、何度も暖かく包み込んでくれた掌。

その掌を、もう一度握ることはない。

そう自覚する度に、泣きそうになってしまう。



あの頃に。



何も分からないままに、何にも降り惑わされないままに、
ただただ思うままに隣にいたあの頃に戻りたい。

あの頃から年月が経っていく度に胸の奥底に積もっていくのは、



想い出と後悔ばかりなんだ。