それもそうだ。
僕達が最後に入った時と何一つ変わっていないんだから。

そりゃ、部屋っていうのはコロコロ変わるものじゃないのは分かっている。
でもさ、三年前と全く変わらないって……

シーツとか家具の配置とか……



「時が止まってる……と言うより、史桜が望んで止めてるみたいだね」

「……あの写真立て」

「珍しい。
史桜が写真飾ってるのに伏せるの……」



几帳面な史桜にしては珍しい。
なんの写真なんだろう?

興味本位だった。

史桜にしては珍しいから、気になった。
普段ならこんなことしないのに、ついその写真立てを手に取ってしまったんだ。



「「これ……」」



僕が持っている写真立てをのぞき込んだ響葵と言葉が重なった。



「響葵ー、鈴桜の様子どうだ……って、史桜の部屋でお前ら何してんの?」



気まずくなってしまった空気を打ち砕くように来たのは炉宮。