ふぅ、ようやく着いたわね...

私は扉のインターホンを押した

「はい、どちら様でしょうか?」

出たのは昔、お世話になってたらしいメイドの亜樹

『瑠羽よ』

「るっ、瑠羽お嬢様!?しばしお待ちを!」

そう言われた数十秒後、亜樹が勢いよく扉を開けた

「瑠羽お嬢様!お久しぶりでございます!」

『...相変わらず元気ね』

「はい!ささ、奥様がお待ちですのでお入りくださいませ!」

『...ええ』

私と亜樹はお母様が待つ、リビングに向かった

リビングにはお母様とお父様が居た

「瑠羽、久しぶりね」

「元気にしてたか?」

『お久しぶりです。ええ、こちらは何も問題ありません』

「今日は瑠羽に大切なお話があるから呼んだのよ」

『大切なお話とは?』

「...記憶、は、戻ったか?」

少し震えた声でお父様が問う

『...ま、だです...』

「あの男の子も、忘れたの?」

あの男の子とはきっとブレスレットをくれた子のことよね

『ええ、名前は忘れましたが...』

名前は忘れた、と言うと少し悲しむような顔をした二人