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『心結?』


「悠貴……」



スマホから聞こえてくるのは今では聞きなれた悠貴の声。



『なんか元気なくね?』


「悠貴……悠貴……」



言葉にならなかった。
こんな落ち込んでるときにタイミングよく電話がかかってくるなんて。
本当に悠貴はあたしのヒーローなのかもしれない。



『どうしたんだよ、心結』


「別れちゃった……」


『ヒロ?』


「うん……」



自分で言ったことなのに、どうしても実感したくなくて。
口にしたら実感してしまって、涙ばかりが流れてくる。



『好きなのになんで?』


「今日ね、約束してて……でも、元カノのほういっちゃって」


『ちゃんと話、聞いたのか?』


「ううん。理由なんてどうでもいいの。ただもう限界だったの」



このままヒロといても限界突破なんかできない。



『そっかー。まぁ、心結が決めたことなら俺は何も言わない。でも、辛かったら俺に言えよ』


「ありがとう」



すぐに忘れられる。
ううん、忘れたいの。