△▽

「バイバイ!」

「うん。バイバイ。」



美星の言葉が頭に入ってこない。



さっきの事が気になって仕方ない。


何で…

何で…



誰にも言わないって決めていた。

花に言う時も何度も何度も考えて決めたのに。




何であんなにもさらっと出たの?


美星は親友。

だけど、今日きたばかりの転校生。

そして、昨日まで、何の関係もない他人だった人。



なんで。どうして?



私はこんなにも口が軽かったけ?

花にも絶対誰にも言わないでねって何回言った?

これまで、こんなこと無かったのに…





「はぁ。」



考え疲れた。



フゥー
と一息ついて、玄関のドアを開ける。





「おかえりー!」


エプロン姿でキッチンから覗く嬉しそうな顔を見るとさっきまでの事が吹っ飛んだ。