·* 美空 side *·
いつもなら1人で帰る道。
すごーく長く感じるのに今日は違う。
隣には美星がいて、話しかけてくれる。
学校から家までの道のりが短く感じる。
「ねーねー。美空。あのね私、ここに来たことがある気がするんだー。」
私はこの町にずっと住んでいる。
……はず。
「美空は?生まれた時からここ?」
「うん。多分。」
「え?何で多分?」
「なんか小さい頃の記憶が無い……の。」
私にはちょうど小1の時の記憶が無い。
その前後の記憶もうっすらとしか覚えてない。
…花にしか言ってない私の秘密。
何で今日会ったばかりの美星に言ったんだろ?
隣で驚いてる美星をスルーして、私は考え続けた。
何で美星に話したのかを。