2人肩を並べて歩く道は、たとえ人混みの中だろうと、私は幸せだった。

「よくわかったね。花火大会って。」

「そりゃあわかる。街中がお祭り騒ぎだしな。」

他愛もない会話をしていた。

どれくらい経っただろうか、気がつけば、薄暗い土手にいた。

「うわっ!びびった…草か」

「ここら辺でいいか?」

土手にレジャーシートを敷き始める。

敷き終わると、2人してまた座った。

ぎくしゃくした2人の距離は、ほんの少しの空間として表れた。