幹部室に戻りソファーに座ると、お疲れ、と水のペットボトルを渡された。
「18歳にしては、老けてるよな」
昌が茶化すと優が
「カオリにも言われた」
と珍しくカオリちゃんの話をした。
「そうか、カオリ公認の老け具合じゃん」
「うるせーよ」
昌と優の会話に笑った。
「あのさ……」
昌が俺を見て、話し始めた。
「唯歌の墓参り、行くか?」
心臓がドクリと音を立てた。
え?と昌を見た。
「場所を聞いたんだ。行くなら付き合うよ、俺も行きたいからな」
「………土曜日……行けるか?」
「行こうか。優と龍はどうする?」
行くよ、と優の声に龍も頷いた。
「土曜日、9時半にここに集合でいいか?」
「分かった」
唯歌の墓が分かった。
嬉しいようで、それでいて唯歌がもういないことを嫌でも知らされた気がした。
俺は、俺には、墓参りだけが唯歌のそばに行ける、唯一の手段だった。