家に帰っても、用事はない。
でも、帰りたかった。
事故現場をみて、1人になりたかったし、俺が帰ると言わなかったらアイツら、ずっと俺に付き合ってくれたとわかっている。
今日は半日、甘えさせてもらったから。
偲ぶなら偲んでやってくれ。
俺を憐れまなくていいから。
俺達は、唯歌があの時あの場所にいた理由は、これからもずっと分からないだろう。
疑問をもって、後悔しながら
でも、俺は、生きていくよ。
寝る前、久しぶりに指輪をはめた。
頭が、痺れるような後悔の念と、会えない、と理解しようとする心。
時間を巻き戻すことが出来たら………
俺は残りの春休みを、ほとんど家で過ごした。