「多分、俺達もそうだよ……
唯歌にもお前にも、何もしてやれねぇし、今日、何をしていいのか、わからねぇ」
優の言葉に、俯いた。
「ありがとう。
だから、来てくれたんだろ?」
それで、十分だった。
俺の痛みと、唯歌のことを覚えててくれて……
「唯歌の家族のこと、何も知らないのは、俺達、了承してたんだ。
今はただの高校生として付き合いたいから。
家は関係無かった。
将来、いつか本当のことを話せると思ってたから。
あの頃は、あの時のまま続くと思ってた。
明日が無くなるなんて、思わなかったよ。
俺、家の会社に入るから、その為に今はできることをする。
そう決めてる。
でないと、唯歌に殴られる、からな」
小さい時から、仲間として育った俺達。
みんなそれぞれ、家の会社に入るんだろう。
将来もきっと、仲間、でいてほしいから、こいつらの前では飾らない。
何もしなくても、何をしても受け止めてくれると分かっていた。