着替えを持ってきてなかったことに気付いたのは、シャワーを終えた時だった。


バスタオルを腰に巻いて、部屋に戻ると、龍も来ていて、三人でテレビを点けて雑誌を見ながら、寿司を食べていた。


「お? おかえり。スッキリしただろ?」

「お前のせいで、着替えが無かったじゃねぇか」

「俺のせい?バカヤロ、感謝しろよな」



「………分かってるよ」



壁のクローゼットを開けて着替えを出していると、三人が顔を見合わせたらしいことが分かった。


顔を見るのはちょっと抵抗があったけど、事情を知ってて心配してくれたのは、この三人だけだから……



「もう、大丈夫、ありがとな」



後ろを向いたまま、言った。

誰かの、安堵のため息が聞こえた。



「後で、走りに行くか?」

「お、優くん良いこと言うじゃん」

「昌は大丈夫なのか?」


龍の言葉に、昌をみた。


「功がウツラウツラしてたから、まだ言ってなかったけど、俺、家を継ぐことにしたんだ。

資格が無いと、できないけど、色々親父も飛び回ってるから、ちょっと荷物持ちとか修行に行ってた。

これからはお使いとか、用事が増えるだろうな。

今日は大丈夫。走りに行こうぜ。

あ、功も食うか?」


当たり前だ、と座って4人で寿司を食べた。