ガチャっとドアが開いて、龍が入ってきた。

「あ、唯歌ちゃん、久しぶり」

「何か、とっても春っぽい格好ね、寒くないの?」

「ビックリするくらい寒いよ」


全員が爆笑する。

龍の家はアパレルメーカーだから、季節先取りの服をよく着ているが、それを知らないからズバリと聞いた唯歌の一言に、笑ってしまった。


「じゃあ、着込めよ」


昌が言っても、ちょっと無理かなぁ、と穏やかに返していた。


賑やかな時間を過ごして、唯歌を送ったのは5時過ぎだった。