まだ寒い2月の終わりの土曜日。
唯歌と昼飯を食べてから溜まり場に行くと、優と昌がいて、唯歌が驚いていた。
「なんて言うか……何ここ、暴走族?」
爆笑する二人に
「違うよ、学外サークルみたいなもんだよ」
と言われていたが、よく分からないという顔だった。
昌の髪が、変わっていることに気付いた唯歌がマジマジと見て言った。
「髪の毛の色も前より明るくなってない?」
「これはねぇ、社会に出る前の特権だよ。
今しかできないだろ?」
「でも、ちょっと明るすぎない?」
「色んな色試して、これに落ち着いたんだよ。
似合ってる?」
「まあまあかな」
嘘でも似合うって言えよ〜、と嘆く昌を放って唯歌が俺の隣に座って、まあまあよね、と笑ったので頷いた。