半開きにしたシャッターの下から


「コウスケ〜、久しぶり〜」


とマフラーを巻いた笑顔の唯歌が覗いていた。

「おぅ、元気だったか?」

入って来るなり、唯歌が抱きついてきた。


「今日は時間あるのか?」

「今日は大丈夫………あ、まあ、あんまり遅くにはなれないかな?

戴き物だけどお土産。
ここの店のリーフパイ美味しいのよね」


俺から離れて、小さな箱をみせてくれた。

「唯歌……」

思い切り抱き締めて、キスをした。


ただただ会いたかった。


それだけ。