12月になって急に寒くなった。
唯歌を学校の帰りに駅まで送っていた12月半ばの金曜日。
「あのね、クリスマスもお正月も、家の用事で、会えないの」
少し言いにくそうな唯歌の声がした。
「……そう、なのか?」
約束していたわけではないが、会えるだろうと思っていた俺は、少し戸惑った声になっていただろう。
「ごめんね。
明日ね、だいぶ早いけど、クリスマスみたいに二人で遊べないかなぁ?」
クリスマスみたいに………唯歌も会えると思っていたのか、とホッとした。
「いいよ。どこか行きたいところある?」
「う…ん」
「どこ行きたい?」
どこか行きたいところが、あるんだろう。
俺は、どこでも良かった。
唯歌の行きたいところなら。
「え。どこでもいい。けど……
知ってる人に会わないとこに行きたい」
どこか、知ってる人に会わない場所。
「ちょっと、すぐには思い浮かばない。
また連絡するから」
「分かった。でも、無理ならいいの……」
駅で、手を振って別れてからも、考えた。
唯歌を学校の帰りに駅まで送っていた12月半ばの金曜日。
「あのね、クリスマスもお正月も、家の用事で、会えないの」
少し言いにくそうな唯歌の声がした。
「……そう、なのか?」
約束していたわけではないが、会えるだろうと思っていた俺は、少し戸惑った声になっていただろう。
「ごめんね。
明日ね、だいぶ早いけど、クリスマスみたいに二人で遊べないかなぁ?」
クリスマスみたいに………唯歌も会えると思っていたのか、とホッとした。
「いいよ。どこか行きたいところある?」
「う…ん」
「どこ行きたい?」
どこか行きたいところが、あるんだろう。
俺は、どこでも良かった。
唯歌の行きたいところなら。
「え。どこでもいい。けど……
知ってる人に会わないとこに行きたい」
どこか、知ってる人に会わない場所。
「ちょっと、すぐには思い浮かばない。
また連絡するから」
「分かった。でも、無理ならいいの……」
駅で、手を振って別れてからも、考えた。