年度末に唯歌の命日がある。


サイタ家には行かないが、命日のあたりに花を持って毎年墓に行っていた。

決めたわけではない、でも当たり前のように、体が引き寄せられるように、唯歌の墓へ行っていた。


唯歌、愛してる……


あの頃は分からなかった気持ち。


今、大人になってわかる、唯歌への気持ち。


あの時の俺は確かに、唯歌を愛していたよ。


あの事故が無かったら、死以外が俺達を離したかもしれない。


でも、唯歌を愛していたし、あの時のままのお前は俺に愛され続けているよ。




でも、俺は変わっていく。




生きているから。