そこまで送るという歌織ちゃんと玄関に立った。
「気を付けてね。
功介さん、来てくれてありがとう。
また来てと言っておくわ。
でも、あなたの生活を最優先させてね。
今日は本当にありがとう」
「気を付けて帰りなさい。
また会うこともあると思うが、これもそれも縁があるからだよ。
また、いつでも来なさい」
「……ありがとうございます
今日は、失礼します」
唯歌の両親が穏やかに送り出してくれた。
玄関を出て歩き始めると、大丈夫だった?と気遣われた。
「責められるかと、思ったけどね。
名前で素性がバレたし、名字を変えてる歌織ちゃんの事情が、わかるよ。
お母さん、唯歌に似てたし、歌織ちゃんお父さん似だね。総一さんにも似てるよね」
「唯歌と私は似てないからね〜」
だね、と笑った。