「お前、なにやってんだよ!」


叫んだのは昌だった。


「お前にも迷惑かけるか?」


「そんな事じゃねぇよ。
惚れてたんだろ?なんで大切にしなかったんだよ。

もっと大切にできたんじゃないのか」


俺も龍も黙ってみていた。


「……大切にしてたつもりだったよ。
でも、俺が、悪い。

傷つけて、傷つけて、アイツの生活を狂わせたんだ。

もう、疲れさせたんだよ」



「なら……」

「やめろよ、もう、言うな」


また何か言いかけた昌を止めた。


「生きてたら、また会える。新しい出会いもある。

大切にできる日が、また来るかもしれないから」


昌がソファーに凭れて、力が抜けたのが分かった。


「………言い過ぎた、な、悪かったよ」


「いや、俺が、悪い……

俺、帰るよ、じゃ、またな」

優が立ち上がってドアへ向かい、サッとドアから出て行った。

「優?」

昌が追いかけて、出て行った。