「ごめん。本当にごめん

俺はあの日、唯歌に会ってた。
ごめん、申し訳ない」


優たちも膝をついた。

誰も何も言わない。沈黙だった。



「……功さん、あなたの名前は?」


カオリちゃんの声が響いた。


「長谷野功介」


「功さんは姉と付き合ってた?」


頷いた。


「そして、あの日も会ってた?」



「………ちゃんと送ってやれば良かった。
歌織ちゃんごめん」


俺の前にカオリちゃんが立った。



「あなたに罪はないわ」



風が巻き上がる。



「姉に話しかけてやって?」



涙を堪えても、流れる。

溢れた涙を、手で拭った。