すると、だんだんに自分の過去が頭に思い出してきた。
それと同時にスーッと体が透けていく。
「あっ」
すぐに自分の状況を理解した。
人助けと記憶が達成されるとき、俺は天国にいける。
「おっ、お兄ちゃん?!」
礼を言うのは・・・俺の方だよ。
・・・今思い出した。俺が死んだ理由。
「お兄ちゃん・・・お体が・・・」
俺は感じない身を寄せながら、あみを抱きしめた。
戸惑いながらも女の子も優しく手を回した。
俺の過去。それはとても寂しいものだった。
俺は家には帰っていなかった。
母が知らぬ間に違う男と再婚してたからだ。
親父は自殺し、母には親父が死ぬ前から違う男がいた。