「なあ、あみ、あれが欲しいか?大事にできる?」
「うん!出来る!」
ポケットから数少ない千円札を出すと、1つ、クマのぬいぐるみを買った。
笑顔を絶やさないあみは、ぬいぐるみを大切そうにぎゅっと握りしめた。
あみの家につくと、玄関の前には母親が立っていた。
あみは母親の方へ走りだすと、俺は逃げるようにその場を立ち去った。
*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*
そして・・・それから一週間がたった。
俺が友達と遊んでいて信号で止まると、向かいの信号であみと母親が話ながら待っていた。
ふっと目を離すが、母親は気付いていない。
気付いていたのは俺だけだった。
まだ母親を愛しいく思っている自分に飽きれてしてしまう。
その時、あみがこちらに気がついた。
「お兄ちゃん!」
母親でさえ、気づかないのに、あみが気がついたことにビックリもしたが、なにより嬉しかった。
それでもあみの言葉に答えず、無視した。
「おにーいちゃーん!」
あみの叫び声に母親もこちらを見て、ますます目を会わせずらくなった。