「いつから私のこと好きだった?」

「は?!……言わねぇよ」

「なんで?私ばっかり何回も藤井に告白しててフェアじゃないじゃん」

「つーか、分かんねぇし!いつからとか。気付いたら……」

「気付いたらなに?」

「うるさい。夏乃、うるさい」

「そこまで言ったら言ってくれりゃいいのに!ケチだ、藤井はどケチだ」



付き合っても、私と藤井は変わらない。
あーだこーだ言い合って、それがやけに楽しくて、居心地が良い。


もちろん、藤井のドがつく鈍感はこの先も治らないだろうから、私がちゃんと思ったことを口にする性格で良かったなって思う。

言わなきゃ伝わらないのが藤井。

なのに、たまに不意打ちで私が喜ぶ言葉をサラッと放り込んでくるのが藤井だったりするから、



「……パン屋になろっかなーって、思うレベルには好きなんじゃねぇの」


「へっ……?!」



私は常にHPをフルにして、そんな藤井の甘じょっぱいセリフに備えなければならないのだ。回復魔法でも使えるようにならなきゃ、HPもたないかも。