そんな夏乃だからこそ、転校初日の俺にもズカズカと話しかけて来てくれたんだろうけど。
あの時、夏乃が声をかけてくれてなかったら……。もし夏乃と仲良くなれていなかったら。
俺の生活から、夏乃がいなくなったら。
……俺もう、生きていけねぇんじゃねぇの？
「なぁ、みい」
「なによ」
「俺ってさ、夏乃が好きなのかな？」
「は？なに、気持ち悪いな」
「……人が真剣に聞いてんのに」
「そう言う大事なことを人に聞こうと思うこと自体が間違ってんのよ！自分で答えださなきゃ意味無いの」
俺の頭を小突いてため息をついたみいが「でもさ」と続ける。
「絢斗の中で、本当はもう答え出てるんじゃないの？」
「……っ」
「だって、もし夏乃ちゃんを他の男に取られたら……嫌じゃない？触られてるの見たら嫌じゃない？夏乃ちゃんが絢斗を好きじゃなくなったら、嫌じゃない？」
「なんで夏乃が俺を好きだって……」
「お店に連れてきたあの日、夏乃ちゃんを見てすぐ分かったよ。女の私から見ても可愛いよ、夏乃ちゃん」
みいは、まるで俺より夏乃のこと分かってるみたいで、少しムッとする。
