このあと少し気まずかった。


「ゆゆ。心配かけてごめんね。」


窓のほうを見たまんまそう言った


「ほんとにね!」


少し強く言ったからか先輩が振り向いて私の顔をみてきた。


けど、笑ってみせたら先輩も笑って返してくれた。


「先輩のお父さんから電話がきたとき、口から心臓がでそうだった。」

おおげさな!そういって笑った先輩


「意識不明だってきいて、起きなかったどうしようって怖かったんだよ。」


なにも言わずにじっと私の方をみて聞いてくれていた。


「病室まで来たときに、意識が戻ってたからほんとに…ほんとに安心した。」


話してるうちに涙が出てきて、足の上に落ちていく。



「うん。ごめんね。」


頬を蔦るその涙を先輩が手で拭ってくれた。



それでもまだ泣く私をみて、困った表情をしたけれど、ぎゅと抱きしめてくれた。


びっくりしちゃって、涙がひっこんじゃった。


「あのね、先輩。私言わなきゃいけないことがある。」