苦しくて苦しくて

膝に手をついて必死に深呼吸する。

きつい。

苦しい。

無理。

やっぱ、頑張らなきゃよかっ……


「猫くん!やった!1位だよ猫くん!!」


両手を広げて俺に駆け寄ってきたそいつは。

涙と鼻水と、汗と、そしてとびきりの笑顔だった。


「鼻水…、俺汚いの無理!!」


そう言ってそいつに背中を向けて、逃げるように走る。


……バカなの?

なんでそんな、ぐしゃぐしゃの顔して喜んでるの?

そんな、嬉しいの?


別に、あんたの為に走ったわけじゃないのに。

そこまで思って、はっとする。


あいつが喜んでるのは、単に赤組が優勝したから。


俺が頑張ったことを喜んでくれてるわけじゃない。